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麻薬性鎮痛薬・笑気ガス

麻薬性鎮痛薬の点滴・注射による無痛分娩


無痛分娩の主流は「硬膜外麻酔法」ですが、硬膜外麻酔が受けられない医学的な理由がある場合などに、陣痛の痛みをやわらげる無痛分娩の方法として、鎮痛薬の点滴や注射を行なうことがあります。
分娩時に使用される麻薬性鎮痛薬は、たいてい痛みを完全に取り除くわけではありませんが、これによって、産婦さんの快適さは改善されるのです。

投与方法は、多くの場合、産婦さんは水分補給のために腕の静脈か手の甲から点滴が行なわれています。点滴の管から鎮痛薬を投与します。
点滴をしていない場合は、腕か大腿、あるいはお尻の筋肉注射をするようです。
点滴の場合は、薬を投与してから5分くらいで効果があらわれますが、筋肉注射では効き目がすぐにあらわれず、十分に効果があらわれるのに45分くらいかかってしまいます。

分娩中によく用いられるのは、オピスタン、モルヒネ、フェンタネスト、スタドールなどの鎮痛薬です。
これらの薬が、母体や胎児にどのような影響を与えるのかは、使用される薬の種類や量、投与のタイミングによって変わってきます。

母体には、薬の効果が切れるまで、めまい、吐き気、呼吸抑制、かゆみ、排尿困難といった症状が見られる場合もあります。
また薬の種類によって、出産後2日間ほど便秘がちになります。
胎児に対する影響は、出産の直前に投与された場合にでることもあります。
それは、胎児が薬を代謝するための十分な時間がないためです。
薬の量が多かったり、投与されたタイミングが出産の時期に近かったりすると、赤ちゃんが呼吸抑制を起こす可能性があります。
その場合は、麻薬性鎮痛薬の影響を消すためのナルカンという薬を、赤ちゃんに投与します。

笑気ガスによる無痛分娩


笑気ガスとは「亜酸化窒素」のことです。
亜酸化窒素は味も臭いもないガスで、通常は酸素と混合されていて、マウスピースなどを通して吸入していきます。
イギリスでは分娩時の痛みをコントロールする無痛分娩の方法として笑気ガスの吸入が人気です。
これに対してアメリカでは、笑気ガスは歯医者でよく使用されているものの、分娩時の鎮痛処置としてはそれほど普及していません。

そもそも笑気ガスとは吸入することにより陽気になることから、19世紀ごろの学生達の間でパーティーグッズとして使用されました。
その際に足をぶつけた学生が、痛がらずに笑っていたことから鎮痛作用が発見されたのです。
しかし、笑気ガスが痛みを軽減する正確な仕組みはまだ明らかではありません。

処置の方法としては、フェイスマスクやマウスピースを通してガスを吸入します。
笑気ガスの効果を得るためには、マスクを顔にあて、次の収縮が始まるまで深く息を吸い込みます。
ガスが有効に働くまでに30秒~60秒くらいかかります。
そのため、次の収縮を感じ始めた瞬間に吸入のタイミングを合わせます。
笑気ガスの作用は、痛みと同時に幸福を感じる不思議な感覚です。
ですからガスを吸っても痛みが残る場合があるのですが、ガスのおかげで痛みを苦痛と感じなくなるようです。

笑気ガスによる無痛分娩の母体への副作用として、吐き気があります。
赤ちゃんへの臨床的な副作用は、今のところわからないようです。

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