いろいろな分娩法
産院によっては、「無痛分娩」と「和痛分娩」 という言葉を使い分けるところもあります。
そのような産院では、主に麻酔薬を使って陣痛の痛みを抑える分娩法を無痛分娩と呼び、産婦さんができるだけリラックスすることで出産の痛みをやわらげる分娩法(代替医療)を和痛分娩と呼びます。
無痛分娩は硬膜外鎮痛法など、局所麻酔薬や麻薬性鎮痛薬を用いて痛みをとる方法です。
和痛分娩には、妊娠中から呼吸法やリラックス法をトレーニングして陣痛の痛みをやわらげるラマーズ法というものがあります。
また、中国の気功を取り入れたリーブ法、心と体を訓練することで、心身の安定を得るという禅やヨガの考えに基づくソフロロジーもあります。
その他、水中出産という方法もあり、これはおふろやぬるま湯をはったプールで出産する方法で、水浮力によって体の緊張をほぐし、リラックスした状態で出産できるメリットがあるようです。
無痛分娩、和痛分娩とは別の分娩法として帝王切開がありますが、これは経膣分娩が不可能で母子に危険がある場合のみに、医師の診断でおこなわれます。
また、分娩法は計画分娩と自然分娩という分け方もできます。
計画分娩は、陣痛促進剤などを用いて人工的に陣痛を起こす分娩法で、それに対し自然分娩は薬などを使わずに自然に陣痛が来るのを待つ分娩方法です。
これから出産を迎える産婦さんは、いいお産をするために、自分で納得のいく方法を選んで下さい。
取り入れている分娩法は病院によって違うので、どのようなお産ができるのか、産院に質問してみましょう。
ただし、帝王切開は医学的な必要性があって行うので、産婦さんが希望してできるものではありません。
アメリカの産婦さん
アメリカでは、無痛分娩が非常に普及しており、6割以上の赤ちゃんが無痛分娩で出産されます。
産婦さんがわざわざリクエストしない限り、当たり前のように無痛分娩のための局所麻酔が行なわれます。
そのため、ほとんどの産婦さんが医学的な無痛分娩を受けるために「病院」で出産することになります。
「病院」では、緊急事態が起きた場合にすぐ対応できる設備やスタッフが揃っていること、ハイリスク産婦の分娩に対応できるメリットがあります。
デメリットとしては、出産時の立会いに制約があり、点滴やモニターリングが行なわれるため分娩中の歩行などが制限されます。
またアメリカでも病院以外で赤ちゃんが産める場所として「助産院」があるようです。
「助産院」では家庭的な雰囲気で、家族に囲まれて出産ができること、薬剤に頼らず自然な分娩を行なえるメリットがあります。
しかし、麻酔を使った無痛分娩には対応していないので、耐えられないほどの陣痛があって麻酔を受けたいと感じても対応してもらえないデメリットもあります。
アメリカでは病院での出産が一般的である中、自然分娩を志す産婦さんのために、後から「助産院」が設立されました。
これに対して日本では助産院での出産が一般的であったので、アメリカとは逆なのです。
分娩をする施設を選択することは、産婦さんが最初に行なう大切な決断といえます。
日本ではまだ、アメリカに比べ無痛分娩が十分に普及していないため、無痛分娩を希望する産婦さんは、対応している病院を探すのに苦労するかもしれません。
ドゥーラというサービス
無痛分娩の普及しているアメリカの病院でも、最近の傾向として、局所麻酔による鎮痛方法以外にも分娩中の入浴、シャワー浴やバースボールを使ったリラックス法、ドゥーラを活用する方法などを取り入れています。
これは陣痛をやわらげる方法の選択肢を増やして欲しいという産婦の要求があるからです。
上記にある「ドゥーラ」は、分娩経過中に産婦のさまざまなお世話をする人のことです。
日本ではまだ一般的ではありません。
ドゥーラとは、出産サポート訓練を受け、経験を積んだ分娩付添人といえます。
中には看護師としての訓練を受けている人もいますが、たいていは医療的な訓練は受けていないため、医療面でのアドバイスや出産の介助は行なえません。
産婦さんの傍から離れることなく、分娩中の介護や精神的なサポートをします。
ドゥーラと妊婦さんは、出産予定日より前に何回か会う機会を設け、親しくなり、出産に関する相談に乗ったり、バースプランを立てることもできます。
そのため、いざ陣痛が始まっても、その時には互いによく知った仲になっているため、産婦さんは安心して出産に臨めます。
自然分娩の際にお世話になるように感じますが、ドゥーラは自然分娩に限らず、無痛分娩を選択した場合にも、精神的、実務的な支援をしてくれます。
アメリカでは核家族化が進み、身近に分娩中に付き添って支えてくれる人が少なくなったために、このようなサービスが必要とされたのかもしれません。
日本でも里帰り出産が難しい産婦さんなどの支えになるために、このようなサービスが普及するといいですね。